雪山へ GO!
幼少期の昭和40年代中盤、家族で8時間ほどかけて逗子から長野県にある志賀高原スキー場に通っていました。当時、上信越道はなく、関越自動車道の藤岡インターから碓氷峠を通り、一般道を延々と走っていきました。道路が雪道に変わるとタイヤにチェーンを巻き、慎重な運転とそれなりの度胸が試されました。当時の運転技術やチェーンの脱着を考えると、雪山への道のりは今とは段違いにハードルが高かったことでしょう。しかし、二つ上の兄と僕はそんな苦労を知る由もなくスヤスヤと眠り、湯田中あたりで外が明るくなり目を覚ますと、流れる景色が銀色の世界に変わっていてそれだけでワクワクした思い出があります。
それから20年後、高速道路は関越トンネルや上信越道まで伸び、車もFRからFFへ。そして4WDにスタッドレスタイヤと色々な進化を遂げ、スキー場へのアクセスが格段に楽になりました。さらに競い合って長いスキー板を自慢し合っていた時代は終わり、身長より低いカービングスキー、ファットスキー、スノーボード、自転車に似たスノースクートや雪板(ビンディングのないスノーボード)など、遊ぶ道具も多種多様になりました。滑る斜面は整地(ゲレンデ)だけでなく、モーグル(コブ)、深雪や3D地形(バンク)といったものまであります。
深雪(パウダー)の遊びはいろいろ!
今回紹介したいのは、深雪の遊びです。浮力のあるスノーボードやファットスキーを使って、ある程度の技術があれば比較的簡単に、パウダーと呼ばれる深雪の世界が楽しめるようになりました。
ファットスキーとは、幅の太いスキー板のことを言います。 柔らかい雪で滑る際にはスキー板が太い方が浮力出て滑りやすいため、パウダーを滑りたい方におすすめのスキー板です。
シェーン・マッコンキー(カナダ/フリースキーとスキーベースジャンプ界のパイオニア)が水上スキーを深雪で使った際、板のそり返しとツチノコのようなサイドカーブで大きなターンが描けた、ということがきっかけになったと聞いたことがあります。 最近のファットスキーはカービング要素も取り入れた万能型も多く目にします。
パウダーを滑るときのおすすめのファットスキーは、男性で長さ170cm~180㎝くらい、女性の場合は160㎝くらい、幅は一番細いウェストと呼ばれる位置で100mmくらいがお勧めです。僕はスウェーデンのExtremというメーカーの板をよく使いますが、初心者や女性にはアトミックやロシニョールといったメーカーの物が扱いやすくておすすめです。スノーボードについても普段使っている板よりも10㎝ほど長めで少し幅の広いボードを使う事をお勧めします。
深雪で遊ぶゲレンデについてですが、日本海に近い湯沢エリアや妙高エリアが豪雪地帯と呼ばれ、冬季は毎日のように雪が降ります。また、群馬や長野のやや内陸の山間部になると、雪の量は減りますが気温が低いため、軽く乾いた羽毛のような雪が降ります。同様のことが北海道でも言え、海に近いニセコよりも大雪山をはじめとする旭川近辺の内陸の方が軽い雪質になりやすいようです。
深雪での滑りは、まるで筋斗雲に乗っているような浮遊感がサーフィンに似ているといいます。
整地ではスキーのエッジ(板裏にある金属の部分)を立ててカービングしますが、深雪の中では足を取られてしまうので、少しノーズ部分を浮かせ、ターンは板の裏全体を使って行うとひっかからなくなります。
深雪を堪能するには、ヘリスキー、キャットスキー、バックカントリー、サイドカントリーなどの方法で深雪のゲレンデへ入ります。ヘリスキーはヘリコプターでアクセスし、キャットは雪上車(キャタピラ)で、バックカントリーは自分の足で登り、サイドカントリーは、リフトで非圧接ゾーンのパウダーエリアにアクセスする方法です。
上の写真は、家族で北海道の南富良野で新雪をハイキングしたときの写真です。
履いているのは“スノーシュー”と呼ばれる現代版のカンジキです。この日は良い天気で、ガイドさんの案内で1.5時間くらい歩き、子供たちも雪山の大自然を満喫できました。ポットに暖かい飲み物やチョコレートなどの高カロリーな行動食などをリュックに入れて行くがおすすめです。家族や仲間とぜひこんなハイキングも楽しんでみて下さい。
※雪山の天気は変わりやすく雪崩のリスクも発生します。
バックカントリーやスノーシューのハイキングなどゲレンデ以外の場所に立ち入る時には、信用できるツアーガイドと一緒に行動し、天候不安の場合は決行しない決断をするようにしてください。
趣味:サーフィン、スキー、旅、 釣りなど、自然のフィールドで楽しんでいます。
コラム「深雪の世界を楽しもう!」
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