
上田義彦《at Home ・ Morie and Karen ・ Hayama》1996年
ⒸYoshihiko Ueda
上田義彦(うえだ・よしひこ/1957–)は、活動初期から自然や都市の風景、著名人のポートレイト、広告写真など幅広い分野で活躍を続けてきた写真家です。瞬間を捉える感性と卓越した技術で、時代とともに変化する作風でありながら一貫して普遍的な美を作品に込め、国内外で高い評価を得てきました。公立美術館で約20年ぶりの展覧会となる本展では、代表作や未発表の初期作品から最新作まで、自ら現像とプリントを手がけた約500点を通じ、その40年の軌跡を辿ります。
展覧会の見どころ
旧作から最新作まで、活動のすべてを辿る大回顧展
本展は、写真家・上田義彦の40年にわたる活動を500点におよぶ作品によって総覧する、公立美術館においては約20年ぶりの展覧会となります。未発表の初期作品をはじめ、ネイティヴ・アメリカンにとっての聖なる森をとらえたシリーズ〈QUINAULT〉や自身の家族にカメラを向けた〈at Home〉、著名人を撮影した〈Portrait〉、生命の源をテーマにした〈Materia〉に加え、これまで展示の機会の少なかった映像作品、さらにはチベットの人々を撮影した最新作まで、上田自身によって現像とプリントが手がけられたすべての作品とその活動の全貌をご覧いただけます。
上田義彦 略歴
1957年兵庫県生まれ、神奈川県在住。写真家。
1979年大阪写真専門学校(現:専門学校大阪ビジュアルアーツ・アカデミー)卒業。写真家の福田匡伸、有田泰而に師事した後、1982年に独立。主な受賞に日本写真協会作家賞、東京ADC賞、ニューヨークADC賞など。
2011年にGallery916を主宰(-2018)。多摩美術大学グラフィックデザイン学科教授(2014-2025)。
代表作に、ネイティヴ・アメリカンの聖なる森を捉えた『QUINAULT』、前衛舞踏家・天児牛大のポートレイト集『AMAGATSU』、自身の家族にカメラを向けた『at Home』、生命の源をテーマにした『Materia』、30有余年の活動を集大成した『A Life with Camera』など。
近著には、Quinault・屋久島・奈良春日大社の3つの原生林を撮り下ろした『FOREST印象と記憶1989-2017』、一枚の白い紙に落ちる光と影の記憶『68TH STREET』、『林檎の木』などがある。
2022年には『Māter』、2023年に最新作『いつでも夢を』を刊行。
2019年、主人を亡くし家屋の相続税に翻弄されていく人々を、日本の家とその庭の四季の移ろいを通して描いた映画『椿の庭』を監督・脚本・撮影(2021年4月公開)。

上田義彦《Robert Mapplethorpe ・ New York》1986年 ⒸYoshihiko Ueda

上田義彦《Quinault No.1 ・ Washington》1990年 ⒸYoshihiko Ueda

上田義彦《Māter No.10 ・ Yakushima》2021年
ⒸYoshihiko Ueda

上田義彦《M.Ganges No.2 ・ Varanasi》2014年 ⒸYoshihiko Ueda
☆詳しくは神奈川県立近代美術館 葉山公式ウェブサイトをご覧ください。
<同時開催の展覧会> ※いずれも鎌倉別館
- ~2025年7月21日(月・祝)
コレクション展「木茂(もくも)先生の挿絵考 併陳:近代の洋画」 - 2025年8月2日(土)~10月19日(日)
コレクション展「これもさわれるのかな? —彫刻に触れる展覧会Ⅱ—」 - 2025年11月1日(土)~2026年2月1日(日)
企画展「川口起美雄 Thousands are Sailing」
その他の展覧会関連情報等は美術館ウェブサイトをご確認ください。