挑発関係=中平卓馬×森山大道
2023年7月15日(土)~ 9月24日(日)
日本の写真史に大きな独自の足跡を残す二人の写真家・中平卓馬(1938~2015)と森山大道(1938~)は、1964年の晩冬に、写真家・東松照明の紹介によって知り合いました。当時は雑誌編集者であった中平と、写真家としての活動を開始したばかりだった森山は、同い歳であること、ともに逗子に住んでいたことから、頻繁に会うようになります。二人は、寺山修司に請われてその雑誌連載にともに写真を掲載し、伝説的な写真誌『PROVOKE』の同人になるなど、交流を深め、刺激し合いながらも、それぞれ独自の写真表現を模索していきます。この、お互いを唯一無二の同志として意識し挑発しあう特別な関係は、中平が亡くなる2015年まで、あるいは森山にとっては、その関係はいまもまだ継続しています。
本展は、そうした半世紀以上にわたる二人のつながり――出会い、交流、共同作業、相違、交差、反発、共感、畏敬――をあらためて美術館という空間に引き込み、ぶつけ、検証する、はじめての試みです。ここ葉山・逗子を中心とした神奈川県内で撮影された、60~80年代の貴重な雑誌や写真集、ヴィンテージ・プリント、本展のために制作したプリント、映像、さらには2000年代以降の作品などを展示し、日本のみならず海外のアートにまで影響を与えてきた、二人の「挑発関係」を明らかにします。
展覧会の見どころ
- 史上初の二人展
若かりし頃、ともに逗子在住ということからも交流を深めた、日本写真史にその名を残す中平卓馬と森山大道の史上初の二人展になります。二人が同時期に発表した作品を比較しながら、デビュー作から近作までをご覧いただけます。 - 神奈川県を撮影した写真に特化した展示を含む展覧会
神奈川県で長く暮らした二人は、葉山や逗子はもちろん、横浜や川崎などでも繰り返し撮影をしています。本展ではその膨大な活動の中から、神奈川県内で撮影した写真を中心に展示します。 - 発表当時の雑誌や写真集を軸に、新規プリントや映像で紹介
60年代、多くの写真家にとっての発表の場は写真雑誌や写真集などの印刷媒体でした。本展では、当時の雑誌や写真集を展示の軸に、新たに出力したプリントや映像などをくわえた様々なかたちで二人の作品を紹介します。
☆詳しくは神奈川県立近代美術館 葉山公式ウェブサイトをご覧ください。