生誕100年 朝倉摂
Setsu Asakura: A Centennial Retrospective
2022年4月16日(土)~6月12日(日)
※新型コロナウィルス感染防止対策として、入場制限を行う場合があります。
画家・舞台美術家として活躍した朝倉摂(1922~2014)の全貌に迫る、はじめての本格的な回顧展です。彫刻家・朝倉文夫(1883~1964)の長女として東京・谷中に生まれた朝倉は、17歳のときから日本画家・伊東深水に学び、モダンな人物像を洗練された色彩感覚で描き出し、若くしてその才能を認められました。
戦後は新制作協会に所属し、パブロ・ピカソやベン・シャーンなど海外作家の研究を通して、新しい絵画表現を模索します。炭鉱や漁村の労働者に取材を重ね、60年安保闘争などの社会問題に取り組む中で、演劇やデザインなど多様なジャンルの芸術家との共同制作に可能性を見出し、60年代半ば以降は舞台美術へと活動の比重を移しました。
本展では、これまでほとんど知られていなかった絵画作品40点余りと素描に加え、舞台美術の模型やデザイン画、資料、絵本原画を含む計約200点を展示し、その多彩な魅力を紹介します。
朝倉摂(あさくら・せつ) 略歴
1922(大正11)年7月16日、彫刻家・朝倉文夫の長女として東京都・谷中に生まれる。
3歳下の妹に彫刻家・朝倉響子。
17歳から伊東深水に日本画を学び、1941(昭和16)年、第4回新文展に《小憩》が初入選。同年より福田豊四郎や吉岡堅二らによる在野の新美術人協会に参加し、その流れから戦後は創造美術、のちに新制作協会に出品した。1953年、《働く人》で第3回上村松園賞を受賞。小説や絵本の挿絵にも取り組み、1972年、大佛次郎作『スイッチョねこ』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞する。
1940年代末から舞台美術を手がけ始め、1970年にはロックフェラー財団の招聘によりニューヨークで舞台美術を学ぶ。
1980年第7回テアトロ演劇賞、1989年朝日賞受賞。
2006年、文化功労者。2014年、91歳で死去。
展覧会のみどころ
- これまで知られていなかった朝倉摂の絵画を一堂に会した初の回顧展。色彩感覚豊かで、変化に富んだ作風の変遷をたどります。
- 絵画だけでなく、朝倉摂の手がけた代表的な舞台美術の模型やデザイン画、絵本の原画なども展示し、朝倉摂の全貌に迫ります。
<同時開催>
コレクション展「手跡(てあと)をたどる 特集:中尾誠」
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