幕末の江戸に生れた原田直次郎(1863-1899)は、西洋画の習得を志して高橋由一に師事したのち、ミュンヘンの美術アカデミーに留学します。
この地で文豪・森鴎外と終生の友情を結び、鴎外の「うたかたの記」では主人公の画学生・巨勢のモデルとなりました。
3年の滞欧から帰国した1887(明治20)年の日本美術界は、伝統回帰への志向が強まり洋画排斥運動のさなかにありました。こうした情勢において、原田は西洋画の正則(アカデミック)な理念と技術を広めるべく奮闘します。
1890年の第3回内国勧業博覧会に出品し、画題論争を巻き起こした大作《騎龍観音》などを通して、西洋美術の正統を伝えながらも、36歳で病に斃れた原田の活動は、日本における西洋画の受容を考える上で短くも重要な軌跡を描きました。
重要文化財《騎龍観音》《靴屋の親爺》を含む、原田直次郎の油彩約30点と素描・装丁類約30点に、日本初公開となるドイツの師・友人たちの作品、そして高橋由一や松岡壽、伊藤快彦など周辺作家を加え、総数200点を越す作品と資料で原田直次郎の画業とその展開を概観する、およそ100年ぶりの回顧展です。
開催日 | 2016年4月8日(金) 〜 2016年5月15日(日) |
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会場 | 神奈川県立近代美術館 葉山 |
料金 | 一般1,200円(団体1,100円) 20歳未満・学生1,050円(団体950円) 65歳以上600円 高校生100円 「原田直次郎展」の当日観覧券で、同時開催「コレクション展1:明治の美術」もご観覧いただけます。 ※( )内は20名以上の団体料金です。 ※中学生以下と障害者手帳等をお持ちの方(および介助者原則1名)は無料です。その他の割引につきましてはお問い合わせください。 ※上記観覧料で「コレクション展1:明治の美術」(第1展示室)もご覧いただけます。 ※「ファミリー・コミュニケーションの日」 毎月第1日曜日(今回は5月1日)は、18歳未満のお子様連れのご家族は割引料金(65歳以上の方を除く)でご観覧いただけます。 |
開館時間 | 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
休館日 | 月曜日 |
住所 | 〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1 |
お問い合わせ | 046-875-2800 |